2010年05月05日

【東京メトロの「またやろう。」シリーズの新作でましたね】

東京メトロのマナーポスター、相変わらず追っています。
5月は、これですね。

20100505-01.jpg


率直に言うと、私自身は昨年度までの、困った人たちを風刺する・・・といった切り口が結構好きだったので、一般的なマナーポスターに変わったような気もするのですが、それでも、隣で音楽のボリュームを下げた男性に、ミスター哀愁がポカーンとした表情を向けるあたりに味が残っているのかな・・・と思います。

そういえば、男性が音楽のボリュームを下げているコマがあり、そこには英語で「ボリュームを下げている」(Turn the volume down)という説明書きが添えてあるのですが、他のコマが特に台詞もなく絵だけの表現になっているので、少し違和感がありました。

・・・というのは以前、ある絵描きさんだったかイラストレーターさんだったか、どなたかは忘れてしまったのですが、「絵の中に文字や記号を加える場合は、その必然性がないと、文字や記号だけが絵の中で浮いてしまう」というお話を聞いたことがあり、いまだに心に強く残っています。当時、そのことをあまり深く考えていなかったので新しい価値観として印象に残ったのでしょう。

漫画とか、本の挿絵とか、そもそも文章と絵の組み合わせで成立する媒体は別として、あくまでも絵画やイラストレーションの中にという観点で、「なぜ敢えて文字や記号なのか?それは絵だけで表現できない、あるいは表現したくないものなのか?」ということなのですが・・・

もっともこのポスターは、鑑賞するための作品という位置づけではなく、マナーポスターとして東京メトロから発注されたものですから、上記の価値観は当てはまらないでしょうし、受注・発注双方の話し合いで説明書きが追加されているのかもしれませんし。

私自身の感覚では違和感があったというお話です。

前回の「席を譲る」、今回の「音楽のボリュームを下げる」、につづいて、次はどんな「またやろう。」が続くのでしょうか。
集団の騒がしいおしゃべりとか、荷物を座席において2人分の幅をとっているとか、そういうネタでしょうか・・・?
posted by SUMICO at 21:49| Comment(13) | ポスター・看板 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月05日

【東京メトロのマナーポスター、意外な展開】

約3ヶ月ぶりのエントリーです。ご無沙汰しておりました。

久しぶりだし、結構しっかりと記事を書くのかと思いきや、東京メトロのマナーポスターにまた反応してしまったので、その話題です。

昨年末にマナーポスターのことを書いたのですが、あれから、2回絵柄が変わりました。
ミスター哀愁のパートナー?として登場した「オバサン」が、結局ミスター哀愁の妻だったというのが発覚した2回でした。
彼女が妊婦さんになったかと思ったら次の絵柄変更であっという間にベイビーが。

「せっかく2人の間にできたベイビーなんだから、生まれたときから同じようにメガネかけてるとかいうオチが欲しかった」という話もあるのですが、それはそれとして。

最新の、2010年4月バージョンを発見しました。

20100405-01.jpg

「またやろう。」

なんと、今回はストーリーが急展開・・・
というか、逆の切り口です。
NGな例を示すのではなく、OKな例を示すという切り口が結構斬新。

しかし、なぜミスター哀愁の服装がパジャマ風?
しかも、なぜミスター哀愁は今回1人で出演しているのか?

そして、この切り口の変更は何故だろう?
もしかして、NGなネタがそろそろなくなってきたので、シリーズも終了近いという布石なのか?
などと、色々勘ぐって東京メトロのサイトを見てみたところ・・・

マナーポスター
http://www.tokyometro.jp/anshin/kaiteki/poster/index.html

「またやろう。」は、今年度の共通フレーズなのだそうです。

やはり、このシリーズはかなりのヒット作だと思います。
また一年、このポスターの展開を楽しみにしてみようと思います。

-------------------------------------------------
東京メトロ公式サイト
http://www.tokyometro.jp/
-------------------------------------------------

・・・余談です。
某駅をたまたま通りかかり見かけたのですが、マナーポスターが5枚並んで貼られていました。
ちょっとすごいアピールで思わず写真に収めてしまいました。

20100405-02.jpg

マナーポスターって、全国でいったい何種類くらい作られているんでしょうね。
1カ所に1種類でいいような気もするのですが・・・
ここまで貼り出す事情って、なんだろう?
素朴な疑問なのです。
posted by SUMICO at 23:59| Comment(0) | ポスター・看板 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月20日

【東京メトロのマナーポスターあれこれ】

今年、私が最も目が離せなかったのは、東京メトロのマナーポスターです。

私の姉妹ブログ(もともとこのブログのほうがスピンアウト版です)で新しいバージョンが出る度にちょこっとレポートをしたりしていましたが、このポスター、結局何が良かったのか、何が自分のツボだったのかを考えてみました。

---------------------------------------------------------------------------------------------------
[1]配色の単純明快さ
---------------------------------------------------------------------------------------------------
配色が単純明快。少し明度を落とした黄色を背景に、黒の太い輪郭線。
マナーの「困ったさん」だけを白く抜いて目立たせる。
NGマナーをアピールするというマナーポスターの役割を配色で表現していることに感心しました。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
[2]困ったさんの「ありえなさ」
---------------------------------------------------------------------------------------------------
毎回バージョンが変わる度に違う困ったさんが登場しますが、その困ったさんぶりのありえなさ加減に、思わずニヤリとしてしまいます。

…そこまでやらないよー。
でも何かリアルにありそうな感じがするのは何故かしら。

ポスターを見かける度にニヤリとしながらどんどん絵柄が脳みそに刷り込まれていくのです。

---------------------------------------------------------------------------------------------------
[3]定番キャラクターの魅力
---------------------------------------------------------------------------------------------------
一連のポスターには毎回「オジサン」が登場します。
毎回、困ったさんに迷惑をかけられる役回りです。

このオジサン、私はこっそり「ミスター哀愁」とニックネームをつけて呼んでいました。
何とも言えない哀愁感が、共感をそそるような、同情をそそるような…
このオジサンの隠れファンは結構な数で存在するものと勝手に見込んでいます。

更に途中から脱マンネリを狙ったのか謎ですが、今度は新キャラクター「オバサン」が加わります。

ミスター哀愁と「オバサン」の関係は、夫婦なのか恋人なのかきょうだいなのか…と様々な妄想を呼び起こしてくれました。

次回はこの2人が一体どんな迷惑に巻き込まれていくのかしら…と、興味は尽きません。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
[4]お説教ではないが気持ちに響く
---------------------------------------------------------------------------------------------------
これはもっとも個人的な感覚かもしれません。
マナーポスターというと、やはり「周囲の迷惑を考えましょうね。」という「誰かから説教されている」感を強く感じるのですが、では一体誰からお説教されているのだろう?と考えてみるとよくわかりません。

しかし、これは[2]とも繋がるのですが、困ったさんの「ありえなさ」が、逆に「こういうのって確かに痛いよね…(ちょっとありえないけど)」という気持ちにさせて、気持ちに響く。
そういう切り口が新鮮な印象でした。
---------------------------------------------------------------------------------------------------

以上大きく個人的趣味な4つのポイントを挙げてみました。

以下は、これまでに私がレポートした日記の一覧です。

【待ちきれない女子?−東京メトロマナーポスター】
http://sumico.seesaa.net/article/122651081.html
【東京メトロのミスター哀愁追っかけ日記(いつまで続くの)】
http://sumico.seesaa.net/article/120867875.html
【東京メトロのマナーポスターに新展開?】
http://sumico.seesaa.net/article/118662595.html
【再び東京メトロのマナーポスターにグッときています】
http://sumico.seesaa.net/article/113610499.html
【東京メトロのマナー広告にグッときています】
http://sumico.seesaa.net/article/109541199.html


ちなみに、東京メトロの公式サイトでは、このマナーポスターのコーナーが作られています。
歴代の(?)ポスターがずらりと並んで壮観です。
http://www.tokyometro.jp/anshin/kaiteki/poster/index.html

「家でやろう。」というキャッチのものが多いですが、私は「山でやろう。」「海でやろう。」「庭でやろう。」など、家以外のキャッチのポスターが特にツボでした。


マナーポスターで訴求したいポイントは、おそらく何度シリーズを変えてもだいたい似たようなものになると思います。

席はきちんと詰めて座りましょう、大胆な飲食は控えましょう、音楽の音量に配慮しましょう、携帯の使用は控えましょう、などなど…

子供が大きくなって電車を利用する年頃になる。その子供がまた大きくなって電車を利用する年頃になる。その子供が…いつまでもマナーポスターは繰り返し同じことをアピールし続けなくてはなりません。
印象に残らず通り過ぎてしまうポスターだったとしたら、作る方も見る方もとても残念なことです。

惹きつけるマナーポスター作りは大変なことだと思いますが、これからも是非素敵な「作品」としても、ポスターを期待したいです。

---------------------------------------------------------------------------------------------------
東京メトロ公式サイト
http://www.tokyometro.jp/
---------------------------------------------------------------------------------------------------


posted by SUMICO at 17:54| Comment(0) | ポスター・看板 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする