実は、東京メトロのマナーポスターが今月の初めに入れ替わってからずっと考えていました。
…ミスター哀愁、実は笑ってる?
傘の忘れ物を見知らぬ乗客が気付き、「お忘れですよ」と手渡すラストシーン。
私、最初はミスター哀愁が、思わぬ親切を受けてポカーンとしてるところなんだと思っていました。
でも、見れば見るほど、実はミスター笑顔なんじゃないのか?と。
ポカーン顔だと思った私って、少数派?
それとも、ポカーン顔か笑顔かで大きく分かれるのかな?
それで、人の表情を「認識できる」ための条件というか要素というか、そのようなものを改めて考えてみました。
例えば、この人が今笑顔であると認識できるための条件。
まず、口については口を開けていても閉じていても口角があがっていますよね。
ついでに頬の筋肉が程よく持ち上がっていたりすると、さらに笑顔感が増します。
でも、口だけではダメで、「目が笑っていないんだ、怖いよね」というように、目の表情も欠かせないです。
目を大きく見開いてキラキラしていたり、目を細めて目尻が下がっていたり。
そこに、身振り手振りや、言葉が加われば多分完璧。
…それで、私がミスターをポカーン顔だと認識したのは、
口角が上がっているかどうかが、ほうれい線が加わっていることで判断しづらい
眼鏡によって、目の表情がわからない
まずこの時点でわからなかったんだろうな…と考えました。
では、表情が微妙なミスターはNGなのか?
…いや、このオトボケ感がミスターの味であるはず。
おそらく、人間が何かを目の前にした時、「これは○○が△△なところ」と認識できるポイントというものは、厳然と存在するのです。
ただ、それが絶対的な必須条件かというと、どうなのでしょう。
このポスターは、ミスターがポカーン顔なのか笑顔なのかは1番に重要な事ではないですので…
デザインというのは、「これは○○が△△なところ」と認識できるポイントと、そのデザイナーだからこそ付加できる味のバランスでてきているのかも知れないな…と思うのでした。