5月は、これですね。
率直に言うと、私自身は昨年度までの、困った人たちを風刺する・・・といった切り口が結構好きだったので、一般的なマナーポスターに変わったような気もするのですが、それでも、隣で音楽のボリュームを下げた男性に、ミスター哀愁がポカーンとした表情を向けるあたりに味が残っているのかな・・・と思います。
そういえば、男性が音楽のボリュームを下げているコマがあり、そこには英語で「ボリュームを下げている」(Turn the volume down)という説明書きが添えてあるのですが、他のコマが特に台詞もなく絵だけの表現になっているので、少し違和感がありました。
・・・というのは以前、ある絵描きさんだったかイラストレーターさんだったか、どなたかは忘れてしまったのですが、「絵の中に文字や記号を加える場合は、その必然性がないと、文字や記号だけが絵の中で浮いてしまう」というお話を聞いたことがあり、いまだに心に強く残っています。当時、そのことをあまり深く考えていなかったので新しい価値観として印象に残ったのでしょう。
漫画とか、本の挿絵とか、そもそも文章と絵の組み合わせで成立する媒体は別として、あくまでも絵画やイラストレーションの中にという観点で、「なぜ敢えて文字や記号なのか?それは絵だけで表現できない、あるいは表現したくないものなのか?」ということなのですが・・・
もっともこのポスターは、鑑賞するための作品という位置づけではなく、マナーポスターとして東京メトロから発注されたものですから、上記の価値観は当てはまらないでしょうし、受注・発注双方の話し合いで説明書きが追加されているのかもしれませんし。
私自身の感覚では違和感があったというお話です。
前回の「席を譲る」、今回の「音楽のボリュームを下げる」、につづいて、次はどんな「またやろう。」が続くのでしょうか。
集団の騒がしいおしゃべりとか、荷物を座席において2人分の幅をとっているとか、そういうネタでしょうか・・・?