もっとも、Webデザイナーとして制作会社勤務・・・ではなく、某企業の自社Web担当という位置づけです。
自社Webの担当ということで、社内の様々な部署から様々な要望が容赦なく寄せられてくるわけで、そのひとつひとつに根拠や理由を示しながら、要望実現の可否を説明していくのは結構骨が折れる作業です。
現在はWebサイトのほぼ一切を1人担当なので、ディレクター的な役割もあり、制作担当としての役割もあり・・・と慌ただしい毎日になっています。
だからといって愚痴っぽくしていても始まらないので、自信を持って自分のスキルをアピールできるように、本腰を入れなければ。
・・・前置きが長くなりましたが、
昨年、色彩検定1級に合格したのを機に、自分にとって、もし「色彩」が仕事だったら、どういう分野やどういう立場が一番しっくりくるのかなぁと考えるようになりました。
それで、結局たどり着いたのが「Webサイトの配色」。
Webサイトの配色、といっても、いわゆるイメージをもとにした配色例の提示にとどまるものではなく、いわゆるアクセシビリティの考え方に基づきながら、CI(Corporate Identity)の視覚的表現や、Webサイトでの戦略実現につながるような、様々な色彩の考え方も含めて、勉強したり考察したりしたいな・・・というのが趣旨になります。
昨年12月に、アップルストア銀座で開催された「CSSNite Vol.42(Shift 3)」でCSSNiteに初参加し、同イベントの一連のセッションの中で、特に植木 真 氏のセッションが心に残りました。セッションの内容はJIS X 8341-3の2010年改定に関するものだったのですが、ごく一部分ながら、配色の「コントラスト比」が特に印象に残りました。
色彩は、個人の好みや視覚の特性、パソコンのモニタの機種、照明、など様々な条件で見え方が変わってしまうので、同じページを見ていても背景色の色味が違って見えたりするものです。
実際、私自身の経験でも、自分のA社製モニタで見えている色と、隣の人のB社製モニタで見えている色が、「これって、色相そのものが違うよね?」と思えるくらい異なって見えたことがありました。
そのような理由もあり、「もうちょっとここの色は濃く(薄く)ならないかなぁ」という、個々の条件ゆえに発生する漠然とした要望は日常的によくあることだと思います。
ここで問題なのは、「もうちょっと」「濃く(薄く)」というのが、具体的に何をどうすべきなのかということです。
「もうちょっと」とはどの程度なのか。
「濃く(薄く)」というのは、同じ色相で明度だけ低く(高く)すればいいのか、それともそもそも色味を変える必要があるのか。誰にとっても現状のページは見づらいのか。好みの問題は介在しないのか。
その尺度がないので、使用した色についての検討や説得がしづらい。
しかし、ガイドラインで指標となる値が示されており、それに基づいた配色を行うとすれば、かなりの割合で「もうちょっと濃く(薄く)しないと見づらいな」という事象は避けられると思います。
Webアクセシビリティに詳しいWeb関係の方々にとっては、おそらく常識かもしれませんが・・・
これまで、「なんとなく、イメージカラーを使う」とか「直感的に色を選ぶ(RGB値を指定する)」という作業に埋もれてしまっていた自分を、今更ながら反省するきっかけとなったのでした。
これから少しずつ知識や実践を積んでみたいと思います。
・・・という抱負だけを語って今日はおしまいなので、書きっぱなしにならないように心します。
備忘録的にリンクを貼ります。
株式会社インフォアクシア
http://www.infoaxia.com/
CSSNite
http://cssnite.jp/